法科大学院日記@慶應LS

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2005年11月14日(月) 葉玉匡美「新・会社法100問」
仕事。

法務省民事局付検事・葉玉匡美「新・会社法 100問」を読みました。新会社法の立案担当者の一人が書いた答案集で、今までありえないタイプの書籍。著者のブログはこちら(とてもきさくな方のようです)。

答案を読むと、条文だけでこの立案担当者レベルまで解釈するのは不可能に近いと感じます。商法の学者の多くも、ここまで条文を読めていないですし。逆に言うと、新会社法の条文は、相当理解しにくいものになってしまったのかもしれません。

この本の理解からすると、神田秀樹「会社法(第7版)」にも、おそらく間違いだろうと思われる箇所がいくつか。とくに重要なのは、改正前商法と異なり、違法な剰余金分配(従来のタコ配当)が無効ではないと解釈される可能性が高いところ。神田教授(248頁)はじめ多くの先生が、はっきり無効としておられるので、注意したほうがよいかと思います。詳細は商事法務の連載でも確認できます。

ポイントは、461条1項柱書の「その効力を生ずる日」という文言。この文言は、立案担当者によると、有効であることを示すためのもの。したがって、違法な剰余金分配は有効であることが前提で、その上で、462条が賠償責任を定めていると読むことに。これは、自己株式で分配可能額を超えた場合(461条1項2号など)も同じなので、注意するべきかと。今ある教科書(神田教授、弥永教授、宮島教授のもの)を利用されている方は、必ずチェックしておくべきじゃないでしょうか。

ちなみに、葉玉検事ら立案担当者によると、461条から違法な分配が有効であることは「明らか」だということらしいですが、明らかではないのではないでしょうか。「効力を生ずる日」は、適法な剰余金分配なら「効力を生ずるはずの日」と誰もが読んでしまうと思うのですが。立案担当者に言われるまで、神田教授ですらそう読めていないんですから。

それから、葉玉検事、「非取締役会設置会社」より「取締役会非設置会社」のほうがベターかと。取締役会設置会社でない会社を表現するのに「非」をアタマに持ってくるなら、非取締役会設置会社会社、が正確になってしまいます。

夜、渋谷の“椿”でみんなと一杯。24時帰宅。
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